宮古島雲日記(2001.7.23〜8.2)

7/23  以下の5枚の写真は、名古屋−那覇間の飛行機から撮影したものです。この写真は、紀伊半島(熊野灘)上空で撮影。陸上には混合層内で地表面加熱により発生したと考えられる積雲で覆われています。海上との境界がクリアに見られます。

7/23  奄美大島付近?の小島上空で撮影。島の地表面の加熱、地形効果により発生したものでしょうか、島の上空だけに積雲が発生してます。もっとスケールの大きな島に対してですが、TRMMを用いてこのような島での降雨の研究も行っています。(芝川,2001修士論文)

7/23  奄美-那覇間の上空で撮影。積乱雲を避けて飛行機が旋回。この時の飛行機の高度が6000〜7000m。積乱雲の雲頂は1万mを超えていると思われます。写真ではよく伝わらないかもしれませんが、海上から立ち上がる雲の壁はかなりの迫力です。

7/23  奄美大島付近の太平洋上で撮影。列状に発達した積雲群。5000m付近まで発達していると思われますが、非常に細長く雲がたってます。熱帯、海上での雲の特徴なのでしょうか、このように細長く立つ雲が観測期間中よく見られました。

7/23  前の写真と同じく奄美大島付近の太平洋上で撮影。細長い積雲の一生が垣間見れます。右の2つが発達中。右から3番目は、下層で雲が切れ上部だけ残っています。その奥と左横(逆Sに曲がっている雲)は、下部が切れた雲が圏界面に達し広がった上層雲だけになっています。

7/24 朝、下地空港の3階(観測本部)から東に立った積乱雲を撮影。かなとこ雲が扇状に覆うように広がり迫力がありました。昨日から台湾の南の台風7号(7/24発生)の影響で、高層に厚い雲、下層にところどころ積雲・積乱雲が立つ曇りの1日でした。この日は、明日からの集中観測に向けゾンデレーシーバー、アンテナなどの準備。

7/25  集中観測1日目。まだ台風7号の影響で午前はぐずついた天気。下地空港の3階(観測本部)から東を撮影。雨足(中央の木の後ろあたり)が見れます。

7/25  下地空港北端から西の海を撮影。左の雲が上部を残して下部が毛のように(くらげ雲?と勝手に命名)なっています。その雲の左上に高層の雲が虹のように見える、彩雲が見られます。

7/25 1つ前の写真と同じくらげ雲を、下地空港の滑走路上から撮影。前の写真に比べ、右奥の雲もくらげになりかけてます。

7/25  右と同じく下地空港の滑走路上から撮影。この時は、エアロゾンデの着陸を見学するために滑走路に入らせていただきました。

7/26  昼過ぎ下地空港屋上から西を撮影。この日も「くらげ」が見ることができました。

7/26 下地空港屋上から南方向に発生した1つの雲の連続写真。1枚目まだ低かった雲が、5枚目まで発達しています。5枚目までの撮影間隔は10〜15分です。6枚目は、雲が上部と下部に分離してしまい消散していく様子です。5-6枚目の間隔は1時間ほど経ってしまっています。この日から台風8号が接近する29日まではよい天気でした。

7/26  はじめの4枚:下地空港西から南西を撮影。積乱雲のAnvil(かなとこ雲)の広がりを約10分間隔で撮影。

     5枚目:伊良部町から撮影。同じ積乱雲の約2時間後の姿です。中層・上層に強い風のシアーでもあるのでしょうか、くねくね曲がってしまっています。

7/31  下地空港屋上から南-西-北のパノラマ撮影。7/29-7/30に宮古島に接近し、7/31中国大陸(福州付近)に上陸した台風8号の影響で、この撮影時、南から北に風が吹いています。その風向きに沿って発生した積雲列です。風が弱いときに見られた細長い積雲は見られず、同じような積雲列がその奥にも続いています。また雲頂高度も平穏時に比べ低いようです。7/29-7/30,台風8号の観測のため39時間、3時間毎にゾンデを放球し、台風の外縁でしたが貴重なデータを得ることができました。この日が集中観測最終日でした。

8/1  下地空港北端から西を撮影。撤収も終わり宮古島での最後の夕日です。1枚目,夕日の左側にある積乱雲が、2枚目,日没後下部が切れて「くらげ」になっています。熱帯域では、このように下部からの上昇流が途切れてしまい消滅していくのが雲の一生なのでしょうか。

8/2  宮古島前島から宮古島本島を撮影。この前島から本島まで海上を橋が架かっています。きれいな海、宮古島は最高です。この後、宮古空港から那覇を経由して名古屋へ・・・・・。