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. はじめてのTRMM
まずはNASDA/EORCのTRMM
Web Siteが一番参考になると思います。「データ利用手引き書」、
「データ利用ハンドブック」などのPDFをダウンロードすることができます。
HDF、Toolkitのインストール方法、データダウンロードサイトのリンク、
サンプルプログラム、といった一連の情報が揃っています。
またどのようなプロダクトが含まれているか、どのようなイベントが見られるのか、
ちらりと見たいというときには、データさえあれば可視化が容易である
TRMM Orbit Viewerをインストールすると便利です。
参考文献など多くのTRMM関連の情報はNASAの
TRMM Web SiteやOverflight Finder(軌道予測)のある
TSDISなどが充実
しています。
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. 位置情報の精度はどれくらい信用できるのか。
ほとんどのデータ(98パーセント以上)のフットプリントの位置精度は
恐らく2km以内の誤差に収まっている。主要な誤差要因としてはアラインメント
そのものと衛星高度の不確定性にあると考えられる。例えば海岸線の観測による
位置の視覚的検証ではピクセルサイズの半分(PRの場合約2km)以上の精度は期待
できない。(2001/3/13, 井口, Steve Bilanow)
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. PRの観測頻度は何回くらいか。
「実際に解析した結果では、だいたい赤道域では3日に1回、北緯20度
付近で2.6日に1回、北緯30°付近で1.8日に1回、観測範囲北限の日本付近が最も
多く1日に2回弱程度でした。雨が多い地域であっても、降水現象が見られる確率
ははせいぜい20%程度です。つまり、TRMMが5回通ってようやく1回降水現象が
観測される程度です。(2001/3/6, 遠藤)」
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. PRが観測可能な最低高度の不均一性について
Q. 「クラッターの無い最低観測高度の分布を調べてみると(
Web
)、特にインドの海では地表付近と定義される高度が低い。どうして?
(2001/10/17, 広瀬)」
A. 「この高度はジオイドからの高度ではない。2A25で高度の基準としている面は
モデルとして採用している回転楕円体面であり、実際のジオイド面からはずれが
ある。理科年表を参照すると(例えばH8であればp.807)、そのずれとよく対応
している。(同日, 井口)」
地下の内部構造が等重力ポテンシャル面を通してこのようにPRのデータに現れて
います。地域によっては海面から最大100mほどの差が
あることを場合によっては留意しなければいけないかもしれません。
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. SGIにおけるorbitSIZE問題
Q. 「SGIを使っているが、orbitSizeがゼロになってしまうのは何故か。(2003/1/22, 大石)」
A. 「toolkit_5.74ではorbitSIZEはint long型。NASDAのサンプルプログラムで
long int orbitSize; numberOfScan=(int)orbitSize;とすれば解決。(2003/01/23, 大石)」
A. 「64ビット環境(今回の大石さんもSGI cc -64)では、ポインタ、ロング型は64
ビット、整数型は32ビット。32ビット環境ではこれらは同一サイズ。32ビット環境用
に作成されたアプリケーションを64ビットで使うときは注意が要る。(同日, 芝川)」
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. rain typeについて
Schumacher and Houze がPR2A23のrain type 15 (shallow isolated stratiform)を
shallow isolated convectiveに読み替えたほうがいいと指摘している。PR2A25から
このtype 15を抽出できるか、井口さんと阿波加先生に相談にのっていただいた。
現Version5では層状性かつWarmRainフラッグが立っているものがこれに相当する
ので、これをconvectiveに変更すれば良いと思われる。またV5で若干のshallow
isolatedの数え落としがあり、これがV6では修正されている。(2003/1/24, 高薮)
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