1998年6月に観測されたバージョン4のPR-レベル1(1C21)とレベル2(2A25)の海洋 上の降雨データを使いました。計算する際、海表面からの直接反射成分のた めPRは高度500m以下では降雨強度を検出できないため、降雨強度は表面から高度1000mまで変 化しないと仮定しています。またMeneghini & Atlas (1986)のMIのレーダ反射因 子とPIAの関係を表す近似式を使っています。
TRMMで観測されたMIの特徴について調べた結果のまとめ
以下は、Li & Nakamura(2002)のアブストラクトの訳の一部です。
1) レーダは、海洋上でMIを明瞭に検出できる。
2) MIのエコーは、衛星直下、または、ほぼ直下の入射角の場合、ダイレクトの
降水エコーにほぼ応答する。
3) 弱い降水強度の場合、レーダのノイズレベルに近い場合を除くと、
MIのエコー強度はダイレクトのエコー強度にほぼ比例する。
4) 強い降水強度の場合、降雨減衰効果が明らかに現れる。
5) MIのエコー強度とダイレクトのエコー強度の比 (MI/Direct)は、
降雨減衰によって影響を受ける。その影響は、フライトバンド高度と表面からのター
ゲット降雨強度によって変化する。
さらに、これらの特徴を確かめるために、
信号の変動、ノイズの寄与、降雨減衰、表面断面積を考慮して、シミュレーショ
ンを行いました。その結果、観測結果を説明することができました。
Li & Nakamura (2002)の全文は http://ams.allenpress.com/amsonline/?request=get-archive&issn=1520-0426&volume=019 からダウロードできます。
参考文献
Meneghini, R. and K. Nakamura, Proc. Intl. Symp. Tropical rainfall measurements., 235, 1988.
Meneghini, R. and D. Atlas, J. Atmos. Oceanic Technol., 3, 400-413, 1986.
Meneghini, R., J. Eckerman and D. Atlas, IEEE-Trans. Geosci. Remote Sensing., GE-21, 34-43, 1983.
Li, J. and K. Nakamura, J. Atmos. Oceanic Technol., 19, 145-158, 2002.
"Characteristics of the Mirror Image of Precipitation Observed by the TRMM Precipitation
Radar"