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ラプラタ川流域の豪雨

南米南部のラプラタ川流域における豪雨とそれを形成する環境場について、1998 年から2003年の6年間の熱帯降雨観測衛星(TRMM)に搭載された降雨レーダー(PR) のデータを使って研究を行った。

その結果、ラプラタ川流域では降水頻度はそれほど 高くないが、降雨時に豪雨になる割合の高い降水特性をもっていることが分かっ た。

また、ラプラタ川流域での降水の季節変動を調べた結果、南半球の夏季は、アン デス山脈に沿った流域西部で多量の降水が観測され、降雨時に豪雨になる割合 も特に高い。一方、冬季においては降水は流域東部に限定され、降雨時に豪雨 になる割合は低下し、ラプラタ川流域内で夏季と冬季で降水領域と降水の強さ に大きな季節変動があることが分かった。そこで、ラプラタ川流域での豪雨に 寄与する環境場の時間変化を調べたところ、ラプラタ川流域での夏季と冬季の 降水の強さの違いは高緯度側からの寒気の移流が起こる1−2日前の熱帯域か らの水蒸気と暖気の輸送量の違いで説明できた。


参考論文
佐々木大祐くんの修士論文