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沖縄偏波ドップラ降雨レーダCOBRAによる晴天大気エコーの観測


大気境界層は対流が活発な領域であり、一般に乱流構造になっている。特に大気 境界層上部では、その構造の観測は困難である。そのため、大気境界層の構造 解析ではレーダを用いて晴天大気エコー(Clear Air Echoes:CAE)を観測し、 境界層研究を行っているが、偏波情報を加味した研究はほとんどない。そこで 沖縄偏波ドップラ降雨レーダ(COBRA:CRL Okinawa Bistatic polarimetric RAdar)から得られたCAEによる境界層構造解析を目的とした研究を行った。ま た、400 MHz帯ウィンドプロファイラー(400 MHz WPR)とのデュアル観測を行 い、サーマルの三次元構造解析も行った。またGPSゾンデ、AMeDASおよび地上自 動気象観測測器のデータも併せて解析を行った。その結果、COBRAで観測された CAEと大気屈折率の鉛直勾配の大きな高度はほぼ一致した。また、COBRA で観測 されたCAEは400 MHz WPRで観測された境界層高度ともよい一致を示した。CAEは COBRAのPPI(Plane Position Indicator)ではドーナツ型の構造を、RHI (Range Height Indicator)では逆U字形を形成していた。400 MHz WPRとCOBRA のRHIから、同一のサーマルを観測することができ、同一サーマルの三次元構造 とその動向が観測された。さらに、乱渦のスケールとCAE高度との関係を調べたとこ ろ、CAE高度が高くなるにつれて乱渦は大きくなる傾向にあった。


参考論文
高橋仁くんの修士論文