降雨の鉛直分布に見られる季節変化(アジアに降る雨の多様性)
降水システムの立体構造を把握することは、地上に降る降水量
の見積もり、また大気を温める熱源としての理解を深めるうえで
重要とされています。降雨強度の鉛直分布を特定づける要素と
して、大気下層で雨が下方に向かって強くなるか弱くなるかという
点に注目しました。これにより、モンスーンの雨に見られる降水
システムの特徴を立体的な広がりをもって描く試みをしています。
降水システムの発達(背の高さ)と併せてこの内部構造を加味
し、雨期の開始期と成熟期の降水パターンの違いを調べました。
また世界の他地域の雨域(アフリカ、アマゾンなど)との比較を
通して、インドのプレモンスーン期やモンスーン成熟期に降る
降水システムが特徴的であることを示しました。
参考論文
Hirose and Nakamura, J. Climate, 15, 3443-3458, 2002
Hirose and Nakamura, submitted to J. Climate